お知らせ

グローバル製薬企業・Novo Nordisk (ノボ ノルディスク)への HLAホモドナー由来iPS細胞ストック提供が決定

2021.05.19

 公益財団法人京都大学 iPS細胞研究財団®(所在地:京都市左京区)は、ノボノルディスクA/S(デンマーク本社)に対して当財団が保有する「HLAホモドナー由来iPS細胞ストック」を提供することが決まりましたので、ここにお知らせいたします。

1.内容

 当財団で製造しているHLAホモiPS細胞ストック(研究用株)を、今回初めて海外の製薬企業に提供することとなりました。提供先であるノボノルディスクは、デンマークに本社を置き世界80か国に関連会社を持ち、糖尿病・肥満症・血友病および成長障害などの治療薬を開発するグローバル製薬企業です。幹細胞治療への取り組み強化を目標の一つとして掲げ、ES細胞のセルバンクを作製する事業にも取り組んでいます。この度、マクロファージへの分化に関する研究など、ES細胞よりもiPS細胞の使用が適したものもあるとの同社の判断で、当財団のiPS細胞ストックの使用申請をいただき、当財団は同社より「HUMAN BIOSAMPLES IN PHARMACEUTICAL RESEARCH」(ノボノルディスクが医薬品開発のために血液などをサンプルとして収集し研究するプロジェクト)の公式サプライヤ―としての認定を受けました。

2.背景

 iPS細胞ストックプロジェクトは、2013年からCiRAにおいて国からの多大な支援により実施され、2020年4月の当財団の本格的な活動開始に伴い、当財団へ移管されました。これまでに医療応用を目的とした27種類のHLAホモiPS細胞ストックを作製し、国内の研究機関に提供してきました。実際にこのiPS細胞ストックを用いた臨床研究として、神戸市立神戸アイセンター病院の加齢黄斑変性や、京都大学医学部附属病院のパーキンソン病を対象とした研究などがあります。また、当財団では、iPS細胞を用いた治療を広く世の中に普及するため、iPS細胞提供を事業として展開するにあたり、作製したiPS細胞の「医薬品等の製品化」や「臨床研究や治験に用いること」に関してあらかじめ血液提供者(ドナー)から同意を取得しており、製造したiPS細胞ストックの品質評価も十分に行ったうえで出荷を行っています。これらのことが総合的に評価され、今回iPS細胞ストック提供の依頼を受けるに至りました。

3.今後の流れ

1)契約締結
 ノボノルディスクと当財団は、今後正式な契約に向けて手続きを進めてまいります。

2)当財団ストックを用いたノボノルディスクでの研究期間
 細胞到着後~2025年12月31日まで。同社では、当財団の研究用iPS細胞ストックが医薬品開発の原料としてどの程度適しているか、安定性や分化能力を確認した後、使用に適していると判断された場合には、更なる幹細胞治療の研究に使用される予定です。

4.公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(CiRA_F)について

 当財団は、最適なiPS細胞技術を良心的な価格で届けることを理念として掲げ、国立大学法人京都大学から一部機能を分離して2020年4月に活動を開始した公益財団法人です。京都大学iPS細胞研究所(CiRA)が2013年度から実施してきた再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトについて、事業譲渡を受け、引き続き推進しています。このプロジェクトでは、HLA(ヒト白血球型抗原)型を、ホモ接合体(免疫拒絶反応が起きにくい組み合わせ)で持つ健康なドナーからiPS細胞を作製し、あらかじめ様々な品質評価を行った上で、再生医療に使用可能と判断できるiPS細胞株をアカデミア・企業等の皆様に提供しています。当財団は、iPS細胞を用いた製品の製造、品質評価、保管等の受託や、製造に関するSOP(標準作業手順書)の公開等に取り組み、再生医療の実用化に貢献します。

iPS細胞ストックに関するお問い合わせ先

公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団(CiRA_F)
広報室 中上依美里(なかうえ えみり)
TEL: 075-761-3357
Email: contact*cira-foundation.or.jp お手数ですがメール送信の際 * を@に変えてください。

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