一般の方 当財団の意義

財団の設立経緯

当財団は、再生医療用iPS細胞の製造や品質評価などの技術を産業界へと「橋渡し」する機能を担うため、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)から一部機能を分離する形で2019年9月に設立。2020年4月1日に内閣府からの公益認定を受けた後、正式に「公益財団法人」として活動を開始しました。

橋渡しの機能は当財団設立前はCiRAが担っていましたが、製造したiPS細胞を保管し必要な際にいつでも使える状態にする「iPS細胞ストックプロジェクト」など様々な事業が進んでいくにつれ、研究機関や企業の皆様との連携を強化し研究開発に関する情報をより専門的に集約・共有する必要が出てきたことなどが設立の背景となりました。

橋渡しの役割

大学などで十分に研究が進んだはずの技術やアイディアが、費用や設備など様々な課題を超えられず実用化されないままの状態に留まってしまうことを「死の谷」と表現することがあります。大学など多くの研究機関は「研究」するための機関であり、実用化するための流れが整っていないのが通常であるため、世界中で死の谷が発生し課題となっています。

アメリカでは、民間企業が巨額投資することで立ち上がったベンチャー企業が橋渡しの役目を担うため、実用化までの流れが比較的スムーズであった事例がいくつもあります。日本ではこのような道筋が整っていないので、当財団がその橋渡しの役割を担い、製造に多大なコストと技術が必要となるiPS細胞を、非営利機関には無償で、営利機関には低価格で提供しています。

また知財や技術に関するアドバイス、トレーニングなどを提供することで、共に協力し合いながらiPS細胞技術の実用化に向けて日々活動をしています。

橋渡し