眼の内部に光を入れる窓の役割を果たす角膜。
角膜を覆う角膜上皮細胞は日々新しく生まれ変わっており、この新しい角膜上皮細胞の供給源となるのが、黒目と白目の境目に存在する角膜上皮幹細胞です。
角膜上皮幹細胞疲弊症は、この角膜上皮幹細胞が何らかのダメージを受けることで角膜の入れ替わりがなくなり、角膜が濁って著しい視力障害が起こる病気です。
当社が開発中のiPS細胞由来の角膜上皮細胞シートは、角膜上皮幹細胞疲弊症患者様の角膜表面に移植することで角膜上皮幹細胞を再生し、視力を回復させます。
このiPS角膜上皮細胞シートについては、大阪大学・西田教授による2019年開始の臨床研究で、角膜上皮幹細胞疲弊症患者4名への移植が行われました。2022年4月に発表された移植1年後の結果では、4名いずれも重篤な副作用はなく、有効性については4名のうち3名について日常生活に支障がない程度まで視力を回復させることに成功しました。
当社では2023年の治験開始、2025年の承認を目指して研究開発を進めています。