白内障手術等の内眼手術後の合併症やフックス角膜内皮変性症といった遺伝的疾患要因によって角膜内皮細胞が減少すると、失明の危険がある水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)になります。
今まではこの病気への唯一の対処法である角膜移植治療を受けるために、患者は痛みや失明の不安を抱えながら一年近くの間、ドナーからの角膜の提供を待たなければなりませんでした。iPS細胞技術を応用した角膜内皮代替細胞の量産と細胞移植治療によって、いつでも治療できる道が拓けてきました。
2022年からはいよいよヒトで臨床応用が開始される予定です。現時点で、一般患者への応用は2026年頃を目指しており、その実用化に向け、慶應義塾大学とセルージョンが、共同で研究にあたっています。