お知らせ臨床用iPS細胞ストック(QHJI株)の米国ドラッグマスターファイル登録のお知らせ

2024.02.22
研究活動

この度、当財団は、 HLAホモドナー由来臨床用iPS細胞ストックのうち2株を米国食品医薬品局(以下、FDA)のドラッグマスターファイル(以下、DMF)に登録したことをお知らせいたします。


背景

当財団では、日本人で頻度の高いHLA型をホモ接合体で持つ健康なドナーの血液から臨床用のiPS細胞を製造し、良心的な価格で、研究機関や企業へ提供しております。

当財団のiPS細胞ストックを用いて再生医療の研究開発を進めていらっしゃる企業が、今後、米国にて承認申請をされる場合、より円滑にお手続きいただけるよう、この度の登録にいたりました。


登録したiPS細胞株

この度、HLAホモドナー由来iPS細胞ストック27株のうち、「QHJI01s04」および「QHJI14s04」の2株を登録しました。
これらは、日本人第一位の頻度のHLA型を持つドナー(ドナーID:QHJI)の血液から製造したiPS細胞です。現在、他機関による10以上のプロジェクトにおいて、本細胞を原料に作製された細胞が患者さんに移植され、安全性や効果を確かめる臨床試験が行われています。


本DMFの内容

この度登録したDMFには、ドナー(QHJI)の適格性、iPS細胞の製造方法、品質評価結果、更には用いた試薬等の安全性確認の根拠等、FDAの要件に沿った内容が記載されています。


DMF制度とは

FDAに対して、製剤の原料や医薬品の添加剤などの情報を任意で登録する制度のことです。

当財団のiPS細胞を使用して再生医療等製品を開発されている企業様においてはFDAへ申請する際、当財団が提供した細胞株の詳細情報も提出する必要がありますが、当財団がDMFに登録することにより、これらの手続きを簡略化することができます。

今後も、当財団は、研究機関や企業の皆様との連携を強化し、iPS細胞を用いた再生医療の発展に貢献してまいります。


本研究への支援

本研究は、以下機関より支援を受けて実施されました。

日本医療研究開発機構(AMED) 再生医療実現拠点ネットワークプログラム(iPS細胞研究中核拠点)
(JP 15bm0104001)


お問い合わせ先

公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団(iPS財団)
企画部門 広報グループ
E-mail:contact*cira-foundation.or.jp
(お手数をおかけしますが、*を@に変えてください)