京都大学iPS細胞研究財団とCell and Gene Therapy Catapultは iPS細胞の分化能評価に関する共同研究を開始しました
研究活動
公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(所在地:京都市左京区)は、このたび、英国の細胞・遺伝子治療分野における産学連携を支援する団体であるCell and Gene Therapy Catapult(CGT Catapult)との間で、iPS細胞の分化能評価に関する共同研究を開始しました。
iPS細胞は、心筋、網膜、白血球など、様々な組織に分化することができることが知られていますが、どのような組織に分化しやすいかについては、細胞株ごとに異なる傾向があり、現時点では、予測することが困難です。このため、臨床用に使用する細胞株を選定するためには、候補となるすべての細胞株を使って実際に分化させてみる必要があり、大きな手間と時間がかかります。
このたび、財団とCGT Catapultの技術を組み合わせることで、新たにiPS細胞における分化能の評価手法を探索することをめざし、共同研究を実施することとなりました。この取り組みを通じて、将来的に、iPS細胞の分化能の予測がしやすくなり、結果としてiPS細胞を使用する機関において、より効率的に研究開発が進むことが期待されます。

左から4人目:CGT Catapult 最高経営責任者 Matthew Durdy 氏
中央:CiRA_F 山中 伸弥 理事長
Cell and Gene Therapy Catapultについて
Cell and Gene Therapy Catapultは、科学研究と実スケール製造との間のギャップを橋渡しすることにより、英国の細胞遺伝子治療産業の成長を促進するための独立した中核的拠点として設立されました。細胞遺伝子医療技術に関心を持つ200名を超える職員を擁し、アカデミアと産業界のパートナーとともに、世界中の健康産業で利用される人生を変えるような治療法を開発できるよう取り組んでいます。また、企業が製品を臨床試験に取り入れられるよう最先端の機能、技術、イノベーションを提案するとともに、臨床、プロセス開発、製造、規制、医療経済、市場アクセスの専門知識を提供します。その目的は、英国を、これらの先進的な治療法を開発、実用化するための英国及び国際的パートナーにとって最も説得力があり論理的な選択にすることです。Cell and Gene Therapy Catapultは、Innovate UKと連携しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。