米国メイヨー・クリニックとiPS細胞ストックに関する共同研究契約を締結

研究活動

Mayo Clinic Center for Regenerative Biotherapeutics (以下、メイヨー・クリニック)と公益財団法人京都大学(以下、iPS財団)は、メイヨー・クリニックがiPS財団の研究用iPS細胞ストックを拡大培養・保管し、同クリニックの研究グループへ提供することに関する共同研究契約を締結いたしました。

メイヨー・クリニックは、病院とクリニックを運営し、全米50州と135ヵ国の患者さんに医療を提供する世界最大の医療グループである一方、研究活動も行っており、iPS細胞を用いた様々な疾患を対象とした研究も推進しています。

今回、iPS財団の研究用iPS細胞ストックをメイヨー・クリニックへ輸送し、同クリニックが拡大培養・保管した後、メイヨー・クリニックのネットワークを通じて、同クリニックの11の研究グループが使用できる仕組みが整いました。

本共同研究の締結により、iPS細胞を輸送するリスクと費用を回避しながら、米国においても速やかにiPS細胞の普及を進めることが可能となります。当財団としましては、こうした連携により、iPS細胞ストックをもとに新しい治療法の研究開発が進展することを期待しています。

調印式の様子

2025年2月22日(日本時間)にオンラインにて、メイヨー・クリニックと調印式を行いました。調印式では、メイヨー・クリニック再生バイオ治療センター長のジュリー・G・アリクソン氏とiPS財団・理事長の山中伸弥が共同研究の意義に触れながらあいさつし、協定書に署名した後、記念撮影を行いました。

調印式の様子

iPS財団 理事長 山中 伸弥
「今回の共同研究契約は、米国の最先端医療を担ってきた歴史ある病院と、日本で 「生まれた」iPS細胞との象徴的なパートナーシップをスタートさせるという、iPS細胞ストックプロジェクトの大きな節目でもあります。この連携は、iPS細胞の基礎研究と医療応用を強化し、両国および世界中の患者さんに必要とされる先進的な医療と希望をお届けするための裾野を広げることで、両組織にとって非常に有益であると確信しています。」


メイヨー・クリニック再生バイオ治療センター長
ジュリー・G・アリクソン

「私たちは、iPS財団と力を合わせ、将来の再生医療に向けた共同研究の旅に出ることができ、本当に光栄に思います。iPS細胞の可能性を前進させ、必要としている患者さんのため、そして革新的な治療法を開発するという使命のために、私たちは重要な一歩を踏み出しました。私たちは共に、この画期的なiPS細胞技術の力を活用し、医療を変革し、患者さんの生命を守ることを目指します。」



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