医療用iPS細胞ストックプロジェクト
HLA型ホモ接合体ドナーのリクルート終了について

研究活動

日頃より当財団が実施する「医療用iPS細胞ストックプロジェクト」にご理解・ご協力を賜り、誠にありがとうございます。

この度、2013年に開始した本プロジェクトのドナーリクルートを終了する運びとなりました。

これまで長年にわたり、日本赤十字社、日本骨髄バンク、さい帯血バンクが協力機関として、免疫拒絶反応を起こしにくい
細胞の型(HLA型ホモ接合体)をお持ちのドナー候補の皆様をご紹介くださいました。

約90名の方がドナー候補として本研究へのご協力にご同意くださり、HLA型の検査をさせていただきました。
最終的に日本国内でみられるHLA型上位20位、計37名のHLAホモドナーの方より血液をご提供いただきました。
これは日本人の約60%をカバーする数です。このうち、現在、日本人の約40%をカバーするiPS細胞ストックを製造し、
国内外の研究機関や企業へ提供を行っております。
本ストックは既に国内で10以上の臨床研究や治験で使用されており、2023年には米国での治験も開始され、その適用範囲が広がっております。近年、当財団では、このHLAホモiPS細胞ストックのHLA型をゲノム編集した「HLAゲノム編集iPS細胞ストック」や、患者さん自身の細胞から作製する「マイiPS細胞」といった、次世代のiPS細胞の研究開発を進めております。

このような状況を踏まえ、HLAホモiPS細胞ストックにおけるドナーリクルートは終了する方針となりました。

なお、ドナーの皆様からご提供いただいた血液については、当財団の細胞調製施設の液体窒素タンクで、厳重に保管・管理され、将来必要な際にいつでも製造できるように備えさせていただきます。

ドナーの皆様、関係機関のご協力により、iPS細胞ストックという新たな再生医療の基盤を構築することができました。
皆様に心より感謝申し上げます。

引き続き、当財団では、iPS細胞を用いた再生医療の研究開発を推進する企業、研究機関をサポートするために、iPS細胞や関連技術を良心的な価格で提供し、iPS細胞の実用化を目指してまいります。

公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団 理事長
理事長名

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