当財団理事長・山中伸弥教授(京都大学)に関するレポートについて

その他

2026年8月7日付けで、Gotham City Research LLC(以下GCR社)により、CiRA(京都大学iPS細胞研究所)および
山中伸弥教授(京都大学)に関するレポート、「Sumitomo Chemical and Sumitomo Pharmaceutical: Part Ⅱ
CiRA, Dr Yamanaka, and the undisclosed history of image duplication concerns」が公表されました。
本レポートでは当財団との関連についても言及されており、その内容に関して、山中伸弥教授、当財団およびCiRAの
見解をお示しします。



今回のレポートでは、CiRAあるいは山中教授に関連するとして10本の論文が一括して列挙されていますが、
それぞれの論文における山中教授の立場、指摘された問題の内容、そしてその後の対応状況は大きく異なります。
以下の通り事実関係を整理します。

10本の論文のうち、山中教授が第一著者または責任著者として研究内容に直接責任を負ったものは、同レポートの表内で列挙されている1、2、7の3報です。1および2については、過去に指摘を受けた際に調査・検討が行われ、すでに対応が完了しています。7については、今回あらためて山中教授が確認しましたが、類似が指摘されている2つの画像は同一のものではなく、画像の重複使用や取り違えには当たらないと判断しています。

4、5、6、8、9については、山中教授はiPS細胞、ノックアウトマウスなどの研究材料を提供したことから共著者となっています。8および9については、すでに責任著者が内容を確認し、必要な訂正を行っています。4、5、6についても、今回の指摘を受けて責任著者または関係する著者に連絡し、適切に確認・対応するとの回答を得ています。

3および10については、CiRA所属の研究者が著者ですが、山中教授は著者ではありません。3については、山中教授がCiRA所長を務めていた時期に研究不正が判明した論文です。調査の結果、論文は撤回され、データを捏造した第一著者には懲戒処分が行われました。この事案については、当時のCiRA所長として重く受け止め、再発防止策を進めました。今回のレポートでは、山中教授への処分内容が公表されていないと指摘されていますが、京都大学の基準に従い「懲戒」以上の処分についてのみ公表されており、山中教授はその対象にはなっていません。10については、責任著者である高橋淳教授が、今回の指摘内容を確認の上、適切に対応を進めております。

このように、今回列挙された10報には、過去にすでに検討・解決されたもの、今回の指摘を受けて責任著者が確認・対応を進めているもの、山中教授が研究材料の提供者として共著者となったもの、そして山中教授が著者ですらないものが含まれています。これらを一括して山中教授あるいはCiRAによる継続的な研究不正を示すかのように扱うことは、個々の事実関係を無視した議論であり、到底容認できるものではありません。

科学は批判と検証によって進歩します。したがって、論文のデータや図について具体的な疑問を提示すること自体を否定するものではありません。むしろ、根拠のある指摘には著者が誠実かつ透明性をもって対応すべきです。

しかし同時に、科学的な疑義の指摘と、十分な根拠なく研究者個人の研究公正上の責任を断定することとは、明確に区別されなければなりません。解決済みの事案と対応中の事案、責任著者と研究材料を提供した共著者、さらには著者でない論文までを区別することなく並べ、それらをまとめて研究不正の「パターン」とみなすことは、科学的に公正な評価とは言えません。十分な根拠なく研究者の誠実性や名誉を傷つけることには、強く反対します。


2026年8月9日
山中伸弥
京都大学iPS細胞研究所
公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団

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