発表論文
Nakashima Y , Yoshida S , Tsukahara M
Regenerative Biomaterials :doi.org/10.1093/rb/rbac060
ヒトiPS細胞を自動化で樹立するためにコロニーピックを行わないバルク法が注目されている。 しかし、バルク法では遺伝子導入ベクターが継代後長期に残存しやすい課題があった。我々は、培養ディッシュのコート材に用いられる、ラミニン221と呼ばれるタンパク質に着目した。その結果、ラミニン221がヒトiPS細胞の未分化状態を維持し、 さらに遺伝子導入ベクターを排除しやすいことを発見した。
本成果は、生体材料の専門誌であるRegenerative Biomaterialsへ掲載された。
発表論文
Nakashima Y , Iguchi H, Takakura K , Nakamura Y , Izumi K , Koba N , Haneda S , Tsukahara M
Cell Transplantation : doi.org/10.1177/09636897221120500
糖尿病患者に対する細胞治療方法として、膵島移植や iPS細胞を用いた治療方法が注目されている。 しかし、これまでヒト膵島を高く生存維持したまま培養することは難しかった。 積水化学工業株式会社は、ヒト膵島の生存を飛躍的に高める化学コーティングプラスチックを開発した。 株式会社東海ヒットは、ヒト膵島を培養しながら測定できるperifusion assay機器を開発した。 当財団と、上記 2社は共同研究を行い、新規のヒト膵島の培養維持、および測定方法を開発した。 本成果は、細胞移植の専門誌である Cell Transplantationへ掲載された。
発表論文
Nakashima Y , Tsukahara M
Stem Cells and Development : doi.org/10.1089/scd.2022.0010
臨床用iPS細胞は、シングルセル播種と呼ばれる細胞 1つ1つをバラバラにして播く独特の培養方法が取り入れられている。しかし、iPS細胞は細胞死を起こしやすく、これまで臨床用iPS細胞をシングルセル播種できる仕組みは分かっていなかった。我々は、培養ディッシュのコート材に用いられる、ラミニン511と呼ばれるタンパク質に着目した。 その結果、ラミニン511タンパク質が細胞死を制御するシグナル伝達経路(Fyn-RhoA-ROCK) へ作用していることを発見した。本成果は、幹細胞の専門誌であるStem Cells and Developmentへ掲載された。
発表論文
Kitano Y, Nishimura S, Kato T, Ueda A, Takigawa K, Umekage M, Nomura M, Kawakami A, Ogawa H, Huaigeng X , Hotta A , Takasu N, Tsukahara M*
Molecular Therapy - Methods & Clinical Development: doi.org/10.1016/j.omtm.2022.05.010
今回の研究により、臨床用iPS細胞におけるCRISPR-Cas9を用いた同時多重HLAゲノム編集の課題と解決策について、基盤技術となる成果を得ることができました。これは、ゲノム編集した低免疫原性iPS細胞を臨床応用につなげるために、ゲノム解析を含む、多角的な品質評価試験が重要であることを示しています。本成果に基づいて、臨床用のHLAゲノム編集iPS細胞を早期に提供できるよう、京都大学iPS細胞研究財団(CiRA_F)細胞調製施設にて製造を進めています。
和文雑誌・総説
高須直子
生物工学会誌 100巻12号:646-647 (2022)
学会発表・講演
心筋への分化抵抗性株の遺伝子発現解析
講演資料
学会発表・講演
Overall 3D culture system 自己体細胞~iPS細胞~分化細胞 一気通貫 3D 培養システムの開発
学会発表・講演
アテロコラーゲンのマイクロキャリアを用いたiPS細胞の培養とその評価
講演資料
学会発表・講演
iPS細胞の自動培養装置の性能評価と活用可能性の探索事例
講演資料
学会発表・講演
臨床用HLAゲノム編集iPS 細胞株の製造と技術的課題
講演資料
和文雑誌・総説
望月綾子
生物工学会誌 100巻12号:666-669 (2022)
学会発表・講演
細胞培養液、細胞入り容器へのX線照射の影響
講演資料
発表論文
Nakajima T, Nakahata A, Yamada N, Yoshizawa K, Kato TM, Iwasaki M, Zhao C, Kuroki H, Ikeya M
Nature Communications 12: 5012 doi: 10.1038/s41467-021-25328-6
アキレス腱を損傷したラットにiPS細胞から誘導した腱細胞を移植すると、アキレス腱の再生が促進され、運動機能が優位に回復することを示した論文です。 当財団では、iPS細胞から腱細胞が作られる過程を詳細に調べるシングルセルRNAseq(1細胞レベルの遺伝子発現)解析の技術支援を行いました。
学会発表・講演
Krol R、Yamashita M、Tsukahara M、Takasu N
Single-cell cloning of human induced pluripotent stem cells automation and protocol optimization
講演資料