iPS細胞自動培養キットの開発・展開における基本合意書の締結について
研究活動
公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団(以下「iPS財団」)は、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、
代表取締役COO:石井敬太、以下「伊藤忠商事」)と、iPS財団が特許取得予定の閉鎖型自動培養装置用の
細胞培養キット「my iPS®キット」の開発、およびライセンス展開における伊藤忠商事によるサポートにつき、
基本合意書を2025年4月24日付で締結しました。
締結後にmy iPS研究所にて
iPS財団「my iPS®キット」デモバッグ
iPS財団は、最適なiPS細胞技術を、国内外の研究機関・企業へ良心的な価格で提供することを理念に、
2つの主要プロジェクトを推進しています。
「iPS細胞ストックプロジェクト」では、健康なドナーから提供された体細胞をもとに細胞調製施設にて
iPS細胞を製造し、各種試験を経て臨床用として使える細胞のみを冷凍保存したうえで移植用細胞の
原料等として提供しています。患者ごとのオーダーメイドで細胞を製造する場合と比べ、時間や費用を
大幅に削減し、迅速な提供が可能となり、既に米国を含む10以上の治験・臨床試験で使用されています。
もう一つの「my iPS®プロジェクト」においては、様々な企業と共同研究を行い、手作業で製造されてきた
iPS細胞を、閉鎖型自動細胞培養キット「my iPS®キット」を用い培養時に細胞が外部環境に一切触れない
自動製造法の開発を進めており、これにより大幅なコスト削減を目指しています。
伊藤忠商事は、化学品事業を通じて培ったノウハウを活用し、iPS財団に対し「my iPS®プロジェクト」が
より簡便且つ安全に実現するよう、その資材開発のサポートを行ってまいりました。
今般、「my iPS®キット」の開発に一定の目途が立ち、国内外への展開が見込まれる中、今後も最適な
原材料選定や滅菌技術開発等の継続的な支援を行っていくことを目的に今回の合意に至りました。
引き続き、iPS財団では、様々な企業と連携しながら、iPS細胞の製造開発を推進し、iPS細胞を用いた
再生医療の実用化をサポートしてまいります。
my iPSプロジェクト実用化イメージ