iPS財団とテルモの共同研究がAMED補助事業に採択されました

研究活動

公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(本部:京都市左京区、理事長:山中 伸弥、以下「iPS財団」)は、テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:鮫島 光)と実施する共同研究「iPS細胞の拡大培養工程を搭載した汎用的自動培養装置の研究開発」が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)の令和7年度「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生医療・細胞治療次世代製造技術開発)」に採択されたことをお知らせします。

本研究では、テルモの細胞増殖システム「Quantum Flex(カンタムフレックス)」を使用し、iPS細胞を安定的かつ効率的に製造する標準的なプロセスや手法(プロトコル)の確立を目指します。また、確立したプロトコルを用いて、iPS財団の細胞調製施設(FiT)*1にて臨床用のiPS細胞を実際に製造し、従来の手作業による拡大培養で得られた細胞との品質・性能比較を行うことで、プロトコルの実用性を検証します。

さらに、Quantum Flexで培地の状態を、市販の分析装置からリアルタイムにモニタリングできる監視ソフトウェアのプロトタイプを開発します。これにより、従来はマニュアルで定期的に行われてきた培養中の細胞の状態把握をソフトウェアで支援し、拡大培養の再現性向上や異常の早期検知に貢献します。

iPS細胞の培養は複雑な手順に基づき専門家が手作業で実施しており、数週間から数か月にわたり細胞を適切に管理する必要があります。そのため、iPS細胞の量産には莫大な時間と費用がかかることや、作業者による品質のばらつきなどの課題があり、臨床利用や商用規模の安定供給において拡大培養工程の自動化への期待が高まっています。

今回のAMED事業の採択を受け、iPS財団とテルモは、iPS細胞をモデルケースとして再生医療産業全体で利用可能な、汎用的自動細胞培養装置の研究開発を進めてまいります。この取り組みにより、拡大培養の自動化と標準化を目指し、工程負荷の軽減によるコスト削減と、作業者依存のばらつきを低減することで品質の向上と安定製造に寄与します。

*1 細胞調製施設(FiT:Facility for iPS Cell Therapy)は、再生医療用iPS細胞の製造・品質試験を実施するための施設です。 再生医療等安全性確保法に基づく細胞培養加工施設として許可(施設番号:FA5200001)及び医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品の製造業許可(許可番号:26FZ110001)を取得しています。 テルモ・iPS財団のロゴ

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