当財団の民間企業による個人向けiPS細胞の製造・保管サービス
に対する考え方について
その他
最近、民間企業によって、個人向けにiPS細胞を製造・保管するサービスが開始されています。
これらのサービスをご検討される際は、以下の点に十分ご注意ください。
1. 品質や性能の「ばらつき」について
iPS細胞は、提供者(ドナー)が異なる場合はもちろん、同じ提供者の細胞から作った場合でも、一つひとつの細胞の塊(株)によって品質にばらつきが生じます。 そのため、せっかく作製・保管しても、いざ治療に使おうとした際に「目的の細胞にうまく変化(分化)しない」などの理由で、実際には使用できない可能性があります。
2. 将来の再生医療に使用できる保証について
作製したiPS細胞が、将来的に再生医療の原料として正式に使用できるという保証について、規制適合性や品質評価の観点からサービス提供企業に確認をお願いします。 特に、iPS細胞から作製された分化細胞を実際の医療に利用する際には、非臨床試験・臨床試験などを通して、安全性や有効性を検証する必要があり、時期尚早であると考えています。
3. 当財団および山中伸弥の関与について
公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(以下、当財団)および理事長の山中伸弥は、これらの民間サービスに直接関与しておらず、推奨もしておりません。
4. 「my iPSプロジェクト」との違いについて
当財団が推進する「my iPSプロジェクト」は、患者さん自身の細胞から高品質なiPS細胞を安価に作り、アカデミアや病院などと連携して個別化医療を実現することを目指す研究開発プロジェクトです。個人のご要望に応じて、ご本人のiPS細胞を個別に製造・保管する受託サービスではありませんので、混同されないようお願い申し上げます。
当財団は公益法人として、民間企業から臨床用iPS細胞の品質向上に関する相談があれば、適宜意見交換等を行い、製造・品質管理に関する知識や技術の普及に努めてまいります。